<嘘か実(まこと)か?> 

新聞を読んでいておもしろい記事に出会いました。

“嘘から出た実(まこと)”と題された内容は、科学界で繰り返される不正の歴史について記されていました。例えばアメリカのベル研究所での超伝導研究や、韓国ソウル大学の核移植技術の移植実験は、ねつ造が判明した代表的な事例だそうです。

しかし面白いのは、嘘だとおもわれた研究結果でも、その後別の科学者が何年もかけて再挑戦したところ、実現出来たものが数多くあるということです。

さて、話は変わりますが、私たちT&Aでは“未来設計図”というミーティングを開催しています。各部門リーダーに集まっていただき、自ら描く部門の将来あるべき姿を実現するために、今どのように活動していくかを語り合う定例会議です。

先日のミーティングのことです。「熱間鍛造工程から熱処理工程へ製品を流す際、なぜわざわざ製品を冷却ファンで冷まさなければならないのか? 熱処理で再び加熱するわけだから、冷却は不要ではないか?」という議論がありました。電気をはじめとしたエネルギー料金が大幅な値上がりをしている現状を考慮した提案でした。途中で一旦冷却するには一応の理由が有ることを、提案された方も含め参加者は解っているのですが、「長年、それが常識と思い、何も考えずにやって来ているので、是非一度トライしてみよう!」ということになりました。

常識にとらわれず、「本当にそうなのか。何かおかしいではないか。これは無駄ではないか。」と疑問を抱くこと。そして、その意見を聴いて「うん。たしかにそうだ。是非やってみようじゃないか。」リーダーの皆さんの前向きな議論はとても素晴らしいと思いました。

そもそも、私たち人類を含む全ての生命は地球上に誕生して以来、日々成長・発展の連続であったと思います。地球上に生命の起源らしきものがあらわれたのは40億年前だそうですが、その後地球の変化と調和をとりながら、生命も着実に進化発展してきたのだと思います。

各々の古代生命が、今日の姿に至るまで、実に多くの環境変化を経験してきたことと思います。その中で、「何かおかしいではないか?」という“繊細で敏感な感覚”と、自ら「変わってみよう」という“勇気”を持ち合わせた生物の子孫が今日まで生き残れたのではないでしょうか。

現在この世に存在する私たちを含めた全ての生命は、ありがたいことに、遺伝子にそうした“繊細で敏感な感覚”と“勇気”を自然に刻みこまれているような気がします。

わが社の鍛造R4号機の機械設計サイズはφ300ですが、無理と言われたφ320まで生産していますし、今後φ360も視野に入れています。これも「本当にそうなのか?」という疑問と「何とかしたい」という熱意を、T&Aの皆さんがお持ちになり、勇気をもって実行していただいたお蔭です。

T&Aは、自らに刻み込まれた遺伝子を信じ、変化点を自ら作り出し、地球の進化に役立つ、生成・発展を遂げてまいりたいと思います。