<ありがとうと言われる行動>

今日は研修生ケンさんのお話です。

彼は台湾から研修のためやって来ました。滞在中、ARAIの各職場で手伝いをしながら、私たちと触れ合ってきました。29歳のケンさんは当社と交流のある台湾企業のエンジニアで、私たちのモノづくりに興味をもっていたので、研修に招くことになりました。

研修といっても何か特別なことをするわけではなく、各職場で社員さん達のお手伝いをすることが中心でした。また、折角滞在するので、日本の生活習慣も体験してもらおうと、私の自宅で家族の一員として生活を共にしてもらいました。

3カ月の研修を終え、帰国前の送別会では多くの方がお別れの言葉に加え感謝の気持ちをケンさんに伝えていました。

「仕事手伝ってくれてありがとう。本当に助かったよ。カンパーイ!」

「いつもケンの笑顔で癒されたよ。ありがとう。カンパーイ!」

「いつでも戻って来てね。そしてまた手伝ってくれたら助かるよ。本当にありがとう。カンパーイ!」

ケンさんは日本語がしゃべれません。英語を少し話すだけです。しかし研修職場は身体を動かす手伝いが中心で、作業内容は身振り手振りで伝わるので、細かな会話をする必要ありません。

言葉をかわさなくても、多くの人たちから感謝の気持ちを次々に伝えられ、どんどん酔っぱらっていくケンさんを見ながら、コミュニケーションの真髄に触れた気がしました。

私もケンさんと一緒にいるとき、「サンキュー!」と伝える機会が多くありました。

彼は人が次に何をしたがっているのか? 今何に困っているのか?等を常に五感を研ぎ澄まして観察していたように思います。

T&Aの行動指針で“他者から「ありがとう」といわれる行動”を求めています。

私たちは他者の進もうとする数歩先に興味を持ち、そこに光を当て、その人のスムーズな前進に役立つような行動の実践を心掛けたいと思います。

その後、酔いつぶれて眠ってしまったケンさんに、私は「大切な事を教えてくれてありがとう!」とそっと伝えました。