<伝える・伝わる>

伝えたいことが伝わらない。伝えたつもりが伝わっていなかった。そんな経験は無いでしょうか。今日は「伝えること」について考えてみます。

そもそも、自分が正しいと思うことの全てを、正確に他者へ伝えるということは不可能に近いのではないかと思います。何故なら、有史以来人類は同じ過ちを繰り返してきています。もし、先人の知恵が確実に伝わっていれば、きっと私たちは過ちをする事はないでしょう。戦争などは最たる例ですが、私たちの日常においても次のようなことが起こります。「自分は車を運転中、わき見運転をして、大事故をおこしてしまい大変後悔している。だから絶対にわき見運転をしてはいけないよ。」と大切な友人に伝えた。彼は大きくうなずいて「うん。安全運転するよ!」とこたえたにもかかわらず、スマホ操作のながら運転が原因で事故を起こし尊い命を失ってしまった。

人はすぐに役立つ情報は受信できても、未来に役立つ情報はむずかしい。「本日限定ビール飲み放題980円」は受信できても、「禁酒や禁煙すれば、未来の病気リスクが確実に下がる」情報は受信できない。実に人間は刹那的な生き物だと思います。

メッセージを伝える側は、「伝えたい!」との強い思いがあるので、発信するエネルギーも高まっています。ところが、受け取る側は、必ずしもそうとは限りません。自分にとって何かすぐに役立ちそうな“お得な情報”に対しては本能的に「受け取りたい!」と受信の感度が上がるのですが、そうでなければ、聞き流してしまうことも多くありそうです。つまり、両者のエネルギーレベルが同じになって初めてメッセージは伝わるような気がします。

良い情報とは、すぐ目先で得する話ばかりではなく、少しほろ苦い話もあることを、発信者、受信者ともに理解しておくことが必要だと思います。

受信者・発信者にとって大切な事は“善いことは善い。悪いことは悪い。”という単純な道理を忘れない謙虚で素直な心と、お互いの未来の幸せを願う優しい気持ちだと思います。そうすれば「伝える」ことの難易度は下がり、よりスムーズにメッセージは「伝わる」ようになるのではないでしょうか。