<腹に落ちる>

私たちは毎日食事をします。歯で噛んでノドを通った食べ物はお腹の中へ落ちていきます。そして消化器官から取り込まれた栄養素が、血液中に吸収されます。私たちの身体は、このように作られそして保たれているわけです。

栄養になるのは、食べ物だけではありません。本を読んだり、人の話を聴いたりしたとき、様々な考えや、アイデアなどが“腹に落ちる”ことがあります。

複雑だと思っていた事象の仕組みや考え方が、スッキリと理解できたとき「腹に落ちた!」と言います。逆に、どうもしっくり来ないときには「腑に落ちない」と感じます。(腑=内蔵=腹)

少し話がそれますが、ときどき耳にする格言に、“思いが変われば、行動が変わる。”というものがあります。

思いが腹に落ちれば、行動が自然に変化するといった意味ですが、この変化はこれで終わらず、次のような連鎖反応を引き起こしていくそうです。思いが変わる→行動が変わる→習慣が変わる→人格が変わる→運命が変わる→人生が変わる。

善い思いを持てば善い人生を歩むことができるということを、簡潔にサラリとした言葉で表現しているので、「あぁ確かにそうだね。」と流してしまいそうなのですが、実は意味の深い言葉だと私は思うようになりました。

思うということは、ボンヤリと思うものから、強烈に思う(=願望)ものまでその強弱には差があります。また同時に、思いの質にも差があることでしょう。動物的な本能欲求といった低次元のものから、「他者の役立ちになりたい!」という高次元のものまで様々です。

高次元の願望を強く持ち続けるには、その動機が自分の腹に深く落ちていなければなりません。さもなければ、つい低次元の欲求に走ってしまいそうです。

自分には無い優れた物の考え方や新たな良い方法を十分に理解することができれば、それらはやがて自らの血となり肉となり、終にはゆるぎない考え方すなわち信念が出来上がってくるのだと思います。

私たちは、腹に落とすことの大切さを認識し、新たな情報や人の話は、たとえ些細なことでも、少しでも多くの栄養を吸収できるよう、丸のみではなく、よく聴いて(よく噛んで)お腹に入れていきたいと思います。