<渦巻く力>

先日、共同で開発プロジェクトを進めている海外のお客様を工場にお招きし、三日間にわたり、現場で顔を突き合わせながら打合せを行いました。

いつもは週一回程度の電話会議で進捗情報の共有を行っていますが、今回新たな進展をむかえたので、関係者が集い、現場でミーティングをすることにしました。

開発には、予想もできなかった課題が発生することがあります。折角苦労して一つ一つ切り開きながら進んできた道が実はその先行き止まりであることがわかり、もう一度引き返さなければならないことや、ここまで何とかたどり着いたものの、これより更に前へ進むには、今までの装備では不十分であることがわかり、もう一度振り出しに戻って再装備の上出直さなくてはならなることなどもあります。

前進・停止・退却・装備やルートの見直し・再出発。その繰り返しには、大きなエネルギーと諦めない強い意志が不可欠です。

人間ひとりの力ではたいした事はできませんが、同じ目的意識を持ち情熱に溢れた者たちが集まると、大きな力を生み出します。そして一人ひとりの小さな思いが、集団の大きな願望へと力強く育っていくわけです。それはあたかも台風の渦が熱エネルギーを吸収して育っていくがごとくです。

しかし、折角結集したエネルギーも、その渦の中心がずれていたり、渦巻く方向がバラバラであったりしては、互いの力が相殺され、単なるエネルギーの浪費となってしまいます。

どんなに強靭な意志や情熱や能力、そして強い責任感のある人間であっても、自分だけの力には自ずと限界があるはずです。他責にすることなく、自責で物事を推進することは大変重要なことですが、それに加えて大切なことは、チームの渦の中心座標を確認し揃えることであると思います。つまり、プロジェクトの意義・目的・そして目標を常に明確にすることが非常に重要となるわけです。

人間が持つ熱をお互いに感じ合うためには、同じ空間で同じものを観て触れながら、顔を突き合わせて同じ課題を共有することが有効であることを体感しました。

この三日間の集いを終え、プロジェクト成功への大きな力が渦巻き始めたことを感じることができました。