鍛造の歴史
鍛造とは、鉄を叩いて形を整えながら強くすることで、鍛造の「鍛」は鍛えるという意味です。 紀元前4000年より前から、エジプトやメソポタミアで自然産の金、銀、銅を叩いたり、押しつぶして装飾品、武器、礼拝対象物などが造られたことから鍛造の歴史は始まったといわれております。その後、古代人の鍛造技術は主として武器の製造と共に発達し、日常生活の道具、特に鍬、斧などの農耕具が鍛造によって盛んに造られるようになりました。
紀元470年ごろに、大陸からの渡来人が持ち込んだ素材を使って、多くの鉄製品が作られました。500年代に入ると日本でも中国、山陰、北九州、東北地方などで鉄が生産されるようになり、農耕具や狩猟具、大工道具のほか、武器や馬具、さらには甲胃等の戦道具にも、堅牢で精巧な鉄製品が多く普及するようになりました。特に平安時代末期に完成の域に達した日本刀は世界に誇る鍛造品です。日本刀のあの鋭い切れ味は、刀鍛冶の優れた技術から生まれたもので、この伝統ある歴史から培われた技術を礎に世界に誇る日本の鍛造技術が生まれました。
私たちの技術
一般的に鉄を溶かし、流して形状をつくるものは鋳物といいます。鉄板や複雑な形状の鉄部材は比較的容易に作ることができますが、割れやすいというデメリットがあります。
それに対し「鍛造(たんぞう)」とは、日本刀やよく切れる包丁など、鉄を溶かさず叩き鍛えながら、意図する形状に仕上げていく製造方法です。思い通りの形状にするにはやや手間がかかり、困難ではありますが、製造中にどんどん鍛えられて強くなっていくため、割れにくいとても強固な製品として仕上がります。
私たちには「お客様のお困りごとを解決する」ために、鍛造でできることを常に考え、その結果独自の技術力が培われた歴史があります。
如何に高品質でコストメリットもある商業部品を製造するか。それを如何に短期工程で、スピーディに実現するか。それらに全社をあげて集中し実現してきたことが、現在の私たちの強みにつながっています。
例えば、今ある部品全てが鍛造だけでできるようになった。今までは複数別々に作っていた部品が、1個でできるようになった。そのようなことにより、お客様の想像の先まで見極め、ご提案しています。
具体的には以下のようなことを得意としています。
- 01.
図面が無くとも、現物(原型をとどめないものでも可)があれば設計製作可能なこと。 - 02.
提案設計・金型製作・試作品の製作及び量産まで一貫して社内にて対応。情報流出は一切ありません。 - 03.
鍛造でありながら鋳造領域に近い形状まで鍛造成形(鍛造化)が可能なこと。 - 04.
冷間成形においては、一切リン酸亜鉛皮膜(ボンデライト)などの皮膜形成なしで成形することで、環境への配慮ができること。 - 05.
小ロットでも、精密鍛造化が可能。コストダウンに寄与できます。 - 06.
ロスを限りなく少なくするために検査精度にもこだわりがあります。日本に数十台しかない検査機械も含め、豊富な経験と技術を有するスタッフが対応しています。
それらにより、徹底的に生産効率を上げ、お客様に貢献しています。